第8章
卓上と知り合って長くなるが、彼がこれほど無様な姿を晒したのは初めてのことだった。
だが、微塵も同情する気にはなれなかった。心が折れ、崩れ落ちていく男を前にして、私の胸を満たしていたのは痛快なまでの優越感だけだ。
「たった一度の過ちで、俺のすべてを奪うつもりか?」
血走った目で私を睨みつけ、卓上の声は絶望に震えていた。
「クルミ、俺が今までお前のためにどれだけ尽くしてきたか思い出せよ。トラブルの尻拭いもしたし、生活費だって援助してやったじゃないか。少しの情けもかけてくれないのか?」
私は冷ややかな視線を投げ返した。
「卓上、その薄っぺらい偽善はもうやめて。昔からそうだったわ...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
縮小
拡大
