第103章

「今夜のことなんだが……」彼は言い淀み、「外に漏らさないでもらえるか?」

警官は察したようにうなずく。

「承知しております。斗真様、ご安心ください。今夜の件は、こちらから一言たりとも漏れません」

御堂斗真は小さくうなずき、署を出た。

警察署の外は、夜が深い。

玄関先に立ち、人気のない通りを見つめた瞬間、どこへ向かえばいいのか分からなくなった。

御堂家へ戻るか。

戻れば、御堂怜央が待っている。

戻らないなら。

行き場はあるのか。

斗真は息を吸い込み、歩道へ出てタクシーを止めた。

「御堂家まで」

車は動き出し、闇の中へ滑り込んでいく。

御堂家本邸は、灯りが隅々まで点いて...

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