第114章 我慢して、すぐ良くなる

前川俊輔の目が、ぱっと輝いた。手つきがさらに速くなる。

扉の向こう、薄闇の中で二人は絡み合い、押し殺した荒い息だけがせわしなく漏れていた。

扉の外では、宴は何事もなかったように続いている。

御堂斗真はその場に立ち尽くし、閉じた扉を見つめた。視線は底知れず暗い。

さっきの光景は、見てしまった。

風見雪音が誰かの手に引き込まれ、扉が閉まり――それから。

斗真は視線を外し、それ以上考えるのをやめた。

風見雪音の色恋沙汰など、彼にとってはどうでもいい。

この女には恩がある。感謝もしている。

危険が降りかかるなら、迷わず手を貸すだろう。

だが今のは、ただ引っ張られていっただけだ。口...

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