第129章 闇カジノで何が学べるか

誘拐事件から一週間。江島家は表向き、何事もなかったかのように静けさを取り戻していた。

けれど江島結奈にはわかっている。これは、ただの仮初めだ。

江島征司はあの一件で殴られた。腹の底で恨みを煮詰めているに決まっている。

大奥様に正面から刃向かう度胸はない。だが「元凶」である自分に対しては、絶対に引き下がらないだろう。

だから、早く足場を固めなければならない。

発言権を手にしてこそ、江島家で本当に生き残れる。

そうしてこの一週間、結奈は周囲を驚かせる行動に出た。

――闇カジノへ、頻繁に出入りし始めたのだ。

賭けに行くのではない。見に行く。

ギャンブラーの顔を。負けたときの絶望を...

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