第14章 食べたくないなら食べるな

「はい、御堂さん」間宮教授は頷いた。「ただし、化学療法を模したプロトコルは相当な苦痛を伴います。副作用も強烈です。重度の脱毛、口腔および消化管粘膜の潰瘍、激しい嘔吐、骨髄抑制による感染リスクの急上昇……など。現在の患者さんの体力では、耐え切れない可能性が――」

「死ななきゃいい」御堂斗真が遮った。声音は氷のように冷たい。「支持療法は最上のものを使え。命だけはつないでおけ。ただし――」わずかな間を置き、言い添える。「鎮痛剤は一錠たりとも与えるな。雪音の心臓を傷めるな」

命令が下り、地獄が始まった。

その日の午後、強力な免疫抑制剤の第一投与が点滴で行われ、御堂結奈の静脈へと落ちていった。

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