第144章 もしかしたら彼らは明日には気が変わるかもしれない

坂井礼司は、彼女の胸に飛び込んで温もりを奪い取りたい衝動をぐっと飲み込み、できるだけ穏やかな笑みを作った。

江島結奈は首を横に振る。

「信じてないわけじゃないの」そう言って、「ただ……」

そこで言葉が途切れる。

ただ、何だというのだろう。

誰も彼も疑う癖が抜けないだけ?

この世に、理由もなく差し出される善意なんてあるはずがないと――信じられないだけ?

坂井礼司は彼女を見つめ、ふっと笑った。

さっきよりも、少しだけ本心が混じった笑み。

「江島さん、考えすぎなくていい」彼はさらりと言う。「俺は単純に、江島さんがいい人だと思った。友だちになりたい。それだけ。……それに、御堂斗真は...

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