第146章 江島さんが大好きです

永橋正彦は少し考え込んだ。

「数か月かな」そう言って、肩をすくめる。「帰ってきて、昔なじみに顔を出そうと思ってさ」

江島結奈は小さくうなずいた。

彼が言う「プロジェクト」が何なのか、結奈にはわかっている。医療機器の研究開発。のちに中核特許を押さえ、業界で奪い合いになるほどの「当たり」になった案件だ。

前の人生で、結奈は御堂家に閉じ込められていた。それでも、使用人たちの噂話で耳にしたことがある。あの案件に乗った投資家は、笑いが止まらないほど儲けた――と。

だったら今度は、自分が乗る。

前の人生の情報を武器に、結奈は証券で小さく稼いだ。大金ではない。けれど、初期投資としては十分だ。

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