第148章 坂井礼司が急いで俺を海外へ行かせる

彼女は首を横に振り、踵を返して家の中へ入っていった。

午後の陽射しが、カフェのテラスに気怠く降りそそぐ。

永橋正彦はコーヒーカップを手に籐椅子へ深く身を預け、向かいの男を眺めていた。

御堂斗真は今日はラフな格好だ。濃いグレーのニットに、袖は肘までまくり上げている。覗く前腕は無駄がなく引き締まっていた。彼は俯いたままスマホを見つめ、眉間にうっすら皺を寄せている。何を見たのかはわからないが、面白い内容ではなさそうだった。

永橋は一口すすり、笑って言う。

「せっかく呼び出したのに、スマホかよ」

斗真は顔を上げ、スマホをテーブルに置いた。

「会社のこと」短く吐き捨てる。「だるい」

永...

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