第149章 絶対に結婚しない

彼は小さく首を振り、そのまま背を向けて外へ出ていった。

背後で、オフィスのドアがゆっくりと閉まる。

夕暮れ。御堂斗真はオフィスに一人残り、山のように積み上がった書類を黙々と捌いていた。

御堂怜央は面倒な仕事を全部斗真に押しつけ、自分はどこへ行ったのか影もない。

――いつものことだ。

それでも今日だけは、胸の奥に刺さった苛立ちがどうしても引っ込まなかった。

永橋正彦の案件。坂井礼司の突然の登場。さらに、いつも腹の底が見えない江島結奈――。

ひとつ片づければ、またひとつ。息をつく暇すら与えない。

斗真は手元の書類を置き、椅子の背にもたれて目を閉じた。

永橋正彦は言った。投資は順...

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