第171章 人探し

「はいはい、わかったわかった。焦らなくていいのよ」

江島家の大奥様は、にこにこと上機嫌だった。

「結奈がもう決めたなら、明日おばあちゃんが婚約破棄の手続きをしてあげる」

「好きな人がいるなら、それでいいの。御堂家はね、おばあちゃんも前から合わないと思ってたのよ。御堂怜央って子は腹の内が見えなくて、結奈には釣り合わない。御堂斗真は……はぁ、あの子も気の毒な星の下ね。とにかく、結奈が嫌なら嫁がなくていい。おばあちゃんが全部、決めてあげる」

江島結奈は顔を上げ、祖母を見つめた。

目の奥が熱くなるのに、胸の内は不思議とあたたかい。

「……ありがとう、おばあちゃん」

大奥様は結奈の頬を、...

ログインして続きを読む