第18章 彼女が自分で転んだ!

御堂結奈は病室から出る許可を与えられ、付き添いがいる条件で、別荘2階の共有スペースを少しだけ歩けることになった。

その日の午後は、やけに陽射しが明るかった。

御堂結奈は看護助手2人に挟まれ、どこからか用意された簡易の杖に縋りつきながら、廊下を亀のような速度で進む。

一歩が、地獄みたいに重い。脚に力が入らず膝はふにゃりと折れ、足裏で床を捉える感覚は薄く曖昧だ。身体が勝手に左右へ揺れ、杖を握りしめなければ、その場で崩れ落ちてしまう。

数メートルも行かないうちに息が上がり、額にはじっとりと冷や汗が浮いた。

背後の看護助手は、隠す気もない侮蔑と苛立ちを顔に貼りつけたまま、小声で吐き捨てる。...

ログインして続きを読む