第19章 囚われる

彼女の身体は、冷たく硬い大理石の段差に何度もぶつかり、擦られた。背中も、臀部も、脚も――荒い段の縁と濃い赤の絨毯に容赦なく削られていく。

とりわけ背中がひどい。そこはついさっき、模擬的な化学療法のせいで皮膚がただれ、焼けたばかりだった。生えたての皮膚は異常なほど薄く、脆い。

「……ッ、ちっ……!」

――ビリッ。

布が裂ける音に、皮膚が削げるかすかな音が重なった。

背中から鋭い痛みが走り、じりじりと灼けるように広がる。温かい液体が一気に滲み出し、病衣を濡らし、引きずられていく絨毯を赤く染めていくのがわかった。

御堂斗真は一言も発しない。鉄のように青い顔のまま、腕はぶれず、力だけが無...

ログインして続きを読む