第20章 そんなに人を傷つけるのが好きならロウソクを抱えるほど持て

ばしゃあっ——!

もともと据わりの悪かったバケツが彼女の身体にぶつかってひっくり返り、中の液体が一気に溢れ出した。頭から足先まで、容赦なく浴びせられる。

刺すような冷たさが薄い病衣を一瞬で濡らし尽くし、布は肌にべったり張りついた。ぞくり、と背骨が震える。

しかも水は汚れている。埃と消毒液が混ざったような、言い表しがたい悪臭が鼻の奥にまとわりついた。

御堂結奈はその場で固まった。深まる秋の夜、冷え切った保管室。全身びしょ濡れのまま、歯の根が合わないほど震えが止まらない。

背中の傷口は冷水に叩かれ、痛みがいっそう鋭く跳ね上がった。

水はもう飲めない。服も濡れた。

寒い。痛い。喉が渇...

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