第24章 彼女はまったく気にしていなかった

だが、彼がその件を聞こうとするたび、風見雪音は決まって頭を抱え、今にも気を失いそうになった。彼女に苦しい思いをさせたくなくて、彼はそれ以上を追及しなかった。

ところが今、木下社長の言葉が――まるで鍵のように、錆びついた記憶の扉を思いがけずこじ開けた。

御堂結奈……彼女も、同じような目に遭ったというのか?

御堂斗真ははっと我に返り、鋭い視線で木下社長の手元の報告書を射抜いた。

「今、なんて言った。御堂結奈が精神病院で、海馬を狙った電気けいれん療法を受けた? いつだ。誰がやった」

突然の冷気を帯びた圧に、木下社長はびくりと肩を揺らし、慌てて記録を確認する。

「時期は、御堂奥様が聖和精...

ログインして続きを読む