第27章 夢の中の少年

その顔に、演技の気配は欠片もなかった。

あるのはただ、死の淵に追い込まれた者だけが見せる、純粋な苦痛と恐怖。

瞳孔は散り、異様に開ききっている。そこには像など映らない。灰色に濁った、瀕死の白だけ。

唇も、爪の根元も、深刻な酸欠でどす黒い紫に染まり、見ているだけで背筋が冷える。喉を掻きむしる指先は芝居じゃない。窒息した生き物が最後にあがく、本能そのものだった。

全身が勝手にけいれんし、必死に息を吸おうとするたび胸郭がぎしりと鳴る。なのに、空気が入っている気配がない。

――演技じゃない。

――本当に窒息している。死にかけの、窒息だ。

御堂斗真の心臓が、見えない手で鷲掴みにされたみた...

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