第31章 彼女はもうすぐ馬鹿になりそうだ

彼女の顔は拒絶と恐怖の涙でぐしゃぐしゃだった。次に来る激痛を予感した身体がひくり、と痙攣する。――それでも指先は、最後には震えながらボタンへ伸び、そして、ぐっと押し込んだ。

「ジィ――ッ!!」

さらに強い電流が、一瞬で全身を貫く。

御堂結奈は短い悲鳴を漏らし、身体をきつく反らせてまた痙攣した。

その一部始終を、風見雪音は余すところなく撮影していた。

「完璧」

タブレットの映像を鑑賞するように眺め、風見雪音は唇の端を冷たく持ち上げる。

数日後、御堂結奈の身体には――恐ろしい条件反射が刻み込まれていた。

あの黒い機器を見るだけで。あのボタンを見るだけで。いや、起動前のかすかな「ぶ...

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