第41章 お前たちに三十日の猶予を与える

彼は一拍置き、視線をふたたび御堂結奈の蒼白な顔へ落とした。底の知れない眼差し。まるで彼女を見ているのではなく、その向こうの何かを見透かしているように。

「……たとえ、あいつが……」

声はひどく低い。それでも、手術室にいる全員の耳へ、鋭く届いた。

「俺の命を一つ、返したとしてもだ」

――命で返す。

彼女の生死そのものを、支払いに充てる血の勘定。

生き延びたなら、ただ運がよかっただけ。借りは――それで帳消し。

死んだなら……それは、支払うべき代価だったというだけ。

冷たく、歪んだ理屈。それでも今の御堂斗真を支えているのは、それしかなかった。

永橋正彦は、その言葉に芯を抜かれたよ...

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