第43章 お母さんが来た

声は高くない。それでも病室の奥まで澄んで届き、むせ返りで束の間だけ意識を取り戻した御堂結奈の耳にも、はっきりと入り込んだ。

――甘える資格はない。

なるほど。苦し紛れに咳き込み、反射的に拒むことさえ、彼の目には「甘え」で、「無駄」なのだ。

御堂結奈は目を閉じた。涙が、鼻腔に残る栄養液と混ざり合い、音もなく頬を伝って落ちる。

昼も夜も途切れない強制的な注入が、彼女の身体に途方もない負荷を与えていた。

胃は過度に膨れ、鈍い痛みがしょっちゅう襲う。ひどい時には逆流し、吐き気と嘔吐を招いた。

精神もすり減っていく。ほとんどの時間は昏睡に沈み、たまに目を開けても、視線は虚ろで無感情。周囲の...

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