第58章 お前は臆病者だ

自分が、なぜそこへ足を向けたのか——御堂斗真にもわからなかった。

もしかすると、あの「厄介者」が本当に消えたのだと、この目で確かめたかったのかもしれない。

もしかすると、最期の姿を見届けて、胸の奥の憎しみをもっと強固にしたかったのかもしれない。

あるいは……そんな理屈さえ、意味を成さないのか。

御堂斗真は、冷たく重い扉を押し開けた。

中は薄暗い。空気はひやりとしていて、喉の奥に貼りつくような死の匂いが漂っている。

移動式のベッドが一台。白いシーツがかけられ、細く硬い輪郭だけをくっきりと浮かび上がらせていた。

御堂斗真の足が、入り口で縫い止められる。

白布。白布の下。見慣れた線...

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