第61章 彼女が憎むなら、私を憎め

電話を切り、御堂斗真はソファに深く身を沈めて目を閉じた。

胸の内は空っぽだった。残っているのは、果てしない冷たさと痛みだけ。

前川由紀と前川家への報復など、心の煎熬を一欠片も和らげはしない。むしろそれは、絶望的な「確認」に近かった。――この悲劇の根は、前川由紀の悪意だけじゃない。自分の愚かさ、臆病さ、逃げ癖が招いたものだと。

どれほどそうしていたのか。窓の外の色が、じわじわと沈んでいく。

ふと何かを思い出したように、斗真は勢いよく立ち上がり、あの冷たい霊安室へと足を向けた。

扉を押し開けても、そこは相変わらずの死の静けさ。

移動式のベッドへ近づき、白布をめくる。江島結奈の、生気の...

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