第73章 愛しているのは君であって、君の身分ではない

御堂斗真は病院には残らず、自分名義の中でも警備が最も厳重な、丘の上の邸宅へ移った。

市街地からも離れ、あの痛みを呼び起こす場所からも遠い。林田青真はここを臨時の指揮拠点に仕立て、前川家、風見家、江島家、そして「ウルフ・アリーナ」に関する調査情報が、絶え間なくこの屋敷へ集約されていた。

江島昭二も、真相を知ってからは別人のようだった。

江島家には戻らず、御堂斗真が用意した別の安全な隠れ家にそのまま身を置き、風見晶子、風見家、「ウルフ」にまつわる秘め事を、知る限り細部まで吐き出した。望みはただひとつ――御堂斗真の手で復讐を果たすこと。

その日の午後、林田青真が報告してきた。

風見雪音が...

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