第6章

 ロレンツォの手を取った瞬間、荒れ狂う魂の共鳴の余韻が収まる間もなく、圧倒的な疲労感がどっと押し寄せてきた。肩の傷からは、まだ血が滲んでいる。

 この「狂狼」も、キャシアンのように保護を口実にして私を強引に抱き寄せるのだろうと思っていた。

 だが、彼は違った。

 ロレンツォはあっさりと私の手を離し、背を向けて薄暗い木立の中へと歩き出した。見え透いた気遣いで私を束縛することもなく、救世主気取りで見下すような真似もしない。

 彼は大股で歩きながらも、意識的に歩調を緩めていた。私の残された僅かな体力とプライドを尊重し、自力でついてこられるように。

 その無言の敬意が、なぜか私の張り詰めて...

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