第109章

シャッターが素早く切られる。沈村遥と沈村碧人が、角度を変えて寄り添い合う様子――その一つ残らずがカメラに収められていった。

男は撮れた写真を確認し、何枚かを選んで安田歌子へ送信する。

「片付いた」

そのころ安田歌子は、柔らかな大きなベッドに身を沈めていた。届いた画像を眺め、短く返す。

「じゃあ、予定どおりに」

最初から読めていたのだ。この旅行で沈村遥が我慢できず、沈村碧人に甘えて、宥めてもらおうとすることくらい。

だからこそ、パパラッチを手配した。沈村遥の動きを張りつかせ、ずっと追わせるために。

――待っていたのは、この瞬間。

安田歌子は心地よく寝返りを打つ。明日は、面白いも...

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