第115章

「馬野信也さん、どう思います?」

馬野信也も同じく歌手だ。佐藤夢子がこの場で彼を議論に引き込んだのは、彼という「部外者」の口から、彼女と安田歌子が本当は言いたいことを言わせるためだった。

安田歌子が直接言えば、沈村遥への当てつけだと受け取られかねない。だが、馬野信也が言うのなら――。

馬野信也はしばらく真剣に耳を傾けた。最初は確信が持てなかったが、聴けば聴くほど、自分の推測は当たっている気がしてくる。

「……なんていうか、沈村碧人の作風にすごく似てる」

馬野信也は続けた。

「俺、ずっと沈村碧人の曲が好きでさ。荒っぽくて自由で、ロックっぽい反骨があって……カッコいいんだよ」

「沈...

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