第117章

「葉山凛選手は明らかに、もうこの曲を知っていたはずです。こんな短時間で、ここまで踏み込んだアレンジができるわけがない!」

葉山凛は傍らに立ったまま、沈村碧人の疑念に淡々と答えた。

「つまり沈村先輩も、俺のアレンジが良かったって認めるんですね?」

――事前に仕込んでいたんじゃないか、とでも言いたげな目。

「ふん」沈村碧人が鼻で笑う。「先にカンニングしてたなら、出来が良いかどうかなんて関係ないだろ」

葉山凛の表情が、すっと冷える。

またそれか。昔からそうだ。勝てないとなると、沈村碧人は泥を投げてくる。

葉山凛は、もう簡単には引かない。

「で、沈村先輩はどうしたいんです?」

「も...

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