第124章

沈村碧人は、それ以上考えるのが怖かった。

もし――遥ちゃんがこの数年、ずっと嘘をついていたのだと認めてしまったら。

それはつまり、自分が長いあいだ利用されてきたと認めることになる。

あれだけ積み重ねてきた気持ちがあるのに……。

そんな現実、すぐには飲み込めるはずがなかった。

沈村家の三人は、その夜それぞれの胸に別の重さを抱えたまま、ろくに眠れないまま朝を迎えた。

翌朝、鏡に映った顔は揃って疲れ切っている。

一方、安田歌子チームはというと――。

次の日も元気そのもので、全員がやけに機嫌よさそうだった。

「歌子」

安田歌子が支度を終えてホテルのロビーへ降りると、古崎拓人と葉山...

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