第126章

陸原吉弘は、古崎拓人が送ってきた写真を見た。

レーシングスーツに身を包んだ安田歌子が、眩しいほどに映っていて――思考がふっと途切れる。

歌子が、こんなにも多才だなんて。こんなにも優秀で、目が離せないなんて。今まで知らなかった。

もし今も彼女が自分の恋人だったなら、きっと周りから羨望と嫉妬を浴びただろう。

自分は、世界でいちばん幸せな男だった。

……けれど。

陸原吉弘は重く息を吐いた。サーキットで颯爽と走る歌子を、この目で見てみたい。

逃してきたものが、多すぎる。

立ち上がり、身支度を整えて部屋を出る。写真を手に、フロントで確認するつもりだった。背景に写るあの山が、どこなのか。...

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