第127章

沈村遥は呪術なんてものを理解していない。学んだこともない。

だからこそ符文の裏には、術式も口上も最初から書き込まれていた。彼女はそれを、ただ読み上げればいいだけだった。

声が落ちた瞬間、符文はぱっと燃え上がり、黒い煙となって宙へ溶けていく。灰ひとつ残らない。

沈村遥は冷えた目を細め、会場へ向かう支度をした。

安田歌子が――血も肉もぐちゃぐちゃに潰れるところを、この目で見るために。

一方その頃、安田歌子はみんなと雑談を始めようとしていた。

さっき古崎拓人がグループに投げた写真のせいで、佐藤夢子たちも駆けつけてきて、「歌子に気合い入れに来たよ」と口々に言う。

ふと振り向くと、沈村碧...

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