第133章

沈村碧人は、ほんの少しだけ逡巡した。

もう沈村遥には会いたくない。だが、これはきちんとケリをつけなければならない。

「……わかった。今から行く」

沈村遥に、どうしてあんな卑劣な真似ができたのか――問いただしたい気持ちもあった。

病室はしんと静まり返っていた。扉が開く気配がして、沈村遥ははっとして入口を見た。

沈村碧人は疲れ切った顔をしていた。整えていたはずの髪も、少し乱れている。

「碧人お兄さん……」

沈村遥は苦しそうに上体を起こそうとしたが、腕に力が入らず、どさりとベッドに落ちた。

「起こしてくれる?」

弱々しく、哀れを誘う声。瞳の奥には濃い懇願が滲んでいる。

「俺に何...

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