第17章

黒い靄――それは、小村徳福か、その身内に災いが降りかかる兆しだった。

「小村さん」

安田歌子の顔色がさっと変わる。

「……息子さん、何かあったかもしれません」

その一言で、場が凍りついた。斉藤夢子が慌てて近寄り、安田歌子の袖をくいっと引いて小声で言う。

「そういうの、軽々しく言っちゃだめだよ。視聴者に『人の子どもを呪ってる』って叩かれる」

けれど、相手は命に関わる話だ。安田歌子に説明している余裕はない。早口で、それだけ告げた。

「信じて。私、少し――通霊の術がわかるの」

言い終えるや否や、小村徳福の腕をつかんで外へ引っ張っていく。

「車、出して! 今すぐ行く!」

もともと...

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