第36章

監督の目に宿る、安田歌子への抑えきれない賞賛。それが沈村遥の嫉妬心に、さらに火を注いだ。

パルクールができるってだけで、そこまで?

世間知らずの連中め。

「歌子。この動画のおかげで配信の人数が一気に跳ね上がったんだ。新規登録の人たちも、ほとんど君目当てで入ってきてる!」

監督は言えば言うほど昂っていく。

「明日の朝一、撮影班を早起きさせてさ。君のパルクールを撮りに行こう。どうだ?」

安田歌子は小さくうなずいた。

「監督の段取りで」

陸原吉弘は会話を聞きながら近づき、監督のスマホを借りてその動画を最初から見返した。

――目が、画面に釘付けになる。

映っていたのは、しなやかな...

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