第38章

沈村遥チームは、本当に仕事にありつけなかった。あの果樹園のオーナーには、もうこれ以上の契約は無理だとはっきり断られている。

ほかを当たっても、空きはなし。

結局、彼らが頼れるのは牧場主だけだった。頭を下げに下げて、ようやく羊の放牧の仕事を回してもらう。

――ところが。

経験不足が祟った。羊を外へ出した瞬間、群れがなにかに怯えたように一斉に暴走し、四方八方へ散っていく。

ぶわっと舞い上がった土埃が沈村遥の白い服を容赦なく汚し、あっという間に灰色に染めた。陸原吉弘は反射的に止めに入る。しかし数が多すぎた。次の瞬間、どんっと体当たりされ、地面に転がされる。

現場は一瞬で大混乱。

物音...

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