第49章

沈村川人は低い声で言った。

「遥ちゃんのためじゃなかったら、実の妹に手を出すと思うか?」

沈村知也は肩をすくめる。

知也は安田歌子の音楽の才能をそれなりに評価していたし、彼女とは関係も悪くない。番組での立ち回りを見て、内心では少し誇らしくさえ思った。不愧、うちの妹だ、と。

だが――。

歌子が自分を表現するぶんには構わない。けれど、遥ちゃんを何度も何度も踏みつけるような真似をされると、どうにも胸がざわつく。

遥ちゃんの「令嬢」という立場を奪っただけじゃない。今度は遥ちゃんの見せ場まで奪うつもりなのか。

遥ちゃんが、あまりにも可哀想だ。

「四男。お前は今、どうするのがいいと思う?...

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