第54章

沈村遥のほうが、今度は衝撃を受けた。

「昨日の夜、羊の具合が悪化したって言ってたじゃない」

「昨夜は確かにちょっとしたトラブルはあった。でも安田歌子さんと彼女のチームがすぐ駆けつけてくれて、一晩かけて対応してくれたおかげで、症状は抑えられたし、羊も大半が治ったんだ」

沈村遥は信じられなかった。安田歌子が、本当に感染症を治してしまった……?

小村徳福がさらに言い募る。

「だから俺は、昨夜の働きに礼をしたくて、朝飯を用意してたんだ。少しでも気持ちよく食べて、早く休めるようにな。なのにお前が全部持っていった!」

沈村遥の顔がみるみる歪む。穴があったら入りたい、とはまさにこのことだ。

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