第82章

夏目天は佐藤沢の姿を認めるなり、反射的に数歩あとずさり、身構えた。

「天……」佐藤沢は血走った目で、哀れみを貼りつけたような顔をする。「昔のことは全部、俺が悪かった……でも、あれは天を愛しすぎたせいなんだ。だからあんなに間違えてしまった……」

「当時は、天のことが好きで好きでたまらなかった。なのに別れようなんて言うから、愛が憎しみに変わって……復讐した。だけどそれも全部、愛だったんだ……天、俺を許してくれないか?」

夏目天はその姿を見下ろし、鼻で笑った。

「佐藤沢。あなたに、私の許しを乞う資格なんてない」

「天!」佐藤沢の目から涙がこぼれ落ちる。「付き合い始めた頃、覚えてるだろ? ...

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