第85章

皆が期待の眼差しで安田歌子を見つめていた。

「天のために映画を一本、取ってきたの。『星球穿越』っていう作品で、ヒロインのイメージが天にぴったり。これを、彼女の再出発の第一作にする」

そのタイトルに、岩崎博夫は聞き覚えがあった。

「それ、沈村グループが出資を引き上げた映画じゃないですか? 前にうちがしばらく引き継いでたんですが、投資額が大きい上に、監督も脚本も新人で……会社としてはリスクが高すぎるって判断して、手を引いたんです」

「監督は一年も資金を集められてないって聞きました。企画自体、もう捨てられかけてるとか」

「俺は……もう少し慎重に考えたほうがいいと思います」

安田歌子はふ...

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