第93章

碧人お兄さんと知也お兄さんは、川人お兄さんや深お兄さんほどの立場ではないにせよ、業界の中ではそれなりに名の知れた存在だ。

この二人が本気で動いてくれさえすれば、きっと何とかなる――!

そう思った瞬間、沈村遥の目から涙がぽろりとこぼれた。

「やっぱり……碧人お兄さんと知也お兄さんが一番、遥のこと大事にしてくれる……」

沈村碧人は遥ちゃんの涙にいちばん弱い。泣かれた途端、胸の奥がぎゅっと潰れそうになった。

「遥ちゃん、大丈夫。碧人お兄さんが今すぐ電話するから」

そう言ってスマホを取り出したものの、沈村碧人の指は次の動きに移れず止まった。

顔を上げ、沈村知也を見る。

「お前、永田監...

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