第99章

沈村碧人も沈村知也も、今にも気が狂いそうなほど焦っていた。

その横で、沈村深だけが落ち着き払って立っている。

「だから言っただろ。安田歌子には、軽々しく手を出すなって」

「さっき、血で呪いを解くとかいうやり方で安田歌子に反噬を返さなきゃ、あいつだって抵抗なんかしなかった。結果、今は打つ手なしだ」

「深お兄さん!」

沈村碧人は怒りで顔を歪めた。

「遥ちゃんがこんなに痛がってるのに、いまそれ言う!? いいから早く、何とかしてよ!」

「安田歌子のところへ連れてって、頭下げれば?」

沈村深は肩をすくめる。

「情けをかけてくれるかどうか、試してみたら」

沈村遥は、奥歯が砕けそうなほ...

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