第201章 貴方の婚約者を口説く

 そこまで考えを巡らせたとき、葉田静香の脳裏にある妙案が浮かんだ。

 自分では北村辰の目に留まらないというのなら、他の誰かを使えばいいではないか。彼女はかつて北村辰と同じ大学に通っており、彼は二学年上の先輩だった。

 当時、北村辰は同級生の山田真里という女性と、一時期浮き名を流していたことがある。なんでも、二人がホテルから一緒に出てくるところを目撃した者がいるとかいないとか。

 若き日の初恋というのは、得てして美化されるものだ。

 自分では佐藤愛に太刀打ちできないとしても、山田真里をけしかけることはできる。もし山田真里がうまく立ち回れば、北村辰と佐藤愛の仲を引き裂くことなど造作もない...

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