第284章 トレンド入り

 中村純子の言葉に、北村隆夫はしばし押し黙った。

 三秒ほど言葉を失った後、ようやく彼は諭すような口調で言った。

「済んだことだ。純子、これ以上理不尽な真似はよせ」

「俺がなぜお前を妻にしたか、分かっているはずだ。あの三人の子供たちが、どういう経緯で生まれたかもな」

「お前の体裁は守ってやった。余計な波風を立てるな。大人しくしていれば、互いに平穏でいられる。だが、もしそうでないなら……」

 隆夫は言葉を濁した。そして中村純子の反応を待つこともなく、一方的に通話を切断した。

 プツリと切れた電話を睨みつけ、中村純子は怒りに身を震わせた。だが、長年培ってきた忍耐力が、こみ上げる激情を...

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