第293章 同性愛者を探す

 以前、兄の北村辰から聞いてはいた。中村美緒が変わったと。その時は対岸の火事だと思っていたが……。

 まさか、こんなに早くその「変化」を目の当たりにするとは思わなかった。

 今日、お袋がホテルまで押しかけて辰兄に迷惑をかけた件、十中八九、この中村美緒が一枚噛んでいるに違いない。

 北村星は、そう簡単に舐められるタマではない。

 芸能界という伏魔殿で揉まれてきただけあって、口も達者だ。弁が立たなければ、あの世界では喰い物にされるだけだからな。

 星は横顔を向けたまま、何気ない風を装って中村美緒に言った。

「叔母さん、今の口ぶりじゃ、俺がお袋に連絡したのが間違いだったと言いたいみたい...

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