第301章 いい男

 佐藤愛と顔を合わせられなかった数日間の寂しさが、北村辰の中ですべて深い口づけへと変わっていた。

 瞬く間に、愛の身に纏うものは辰の手によって剥ぎ取られていく。

 一度男女の悦びを知ってしまった辰は、愛の身体への執着が凄まじい。二人は唇を重ね合わせたままで、ソファからもつれ合うようにベッドへと雪崩れ込んだ。

 辰のあまりの激情に、愛は少しばかり恐怖を覚えた。以前、彼に連れられてここでキスをされた際、桐谷遠がいきなりドアを開けて入ってきたことが脳裏をよぎる。

 今は二人とも素っ裸だ。もし今、また桐谷遠が入ってきたら――そう思うと、不安でたまらない。

 最後の一枚が剥ぎ取られようとした...

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