第309章 婚約は破棄しよう

 そう思い至った瞬間、中村純子は再び机をバンと叩いて立ち上がった。

 彼女は山田真里に向かって怒鳴り散らした。

「あの佐藤愛って小娘、私の辰を破滅させる気? うちの北村グループを潰すつもりなの!?」

 中村純子が再び不機嫌になったのを見て、山田真里は自分の焚き付けが完璧に効いたとほくそ笑んだ。

「中村さん、どうなさいますか?」

「このまま変な噂が飛び交うのを放っておいたら、北村グループは本当に終わりですよ?」

 山田真里の言葉に、中村純子の怒りの炎はさらに燃え上がった。

 彼女はドレッサーの前に座り込むと、山田真里に命じた。

「真里、メイクをしてちょうだい。佐藤清歓のところへ...

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