第311章 北村家の事情

 中村純子は延々と喋り続けている。彼女は、山田真里が自分に共感してくれると思っていたのだ。

 だが残念なことに、真里はそれを全く聞いていなかった。北村隆夫の顔を思い浮かべるだけで、彼女の口元には抑えきれない笑みが浮かんでくるのだ。

 佐藤清歓と北村隆夫は、上の階にある佐藤愛の病室へと向かった。

 あの記者たちは、すでに北村辰の手の者によって追い払われている。早朝から記者たちが愛のもとへ押しかけ、彼女を煩わせたと知るや、北村隆夫は珍しく辰に対して激昂した。

「辰、どういうつもりだ! 愛ちゃんが水を飲んで入院までしているというのに、お前の神経はどうなっている? なぜ昨晩、病院に残って愛ち...

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