第315章 報い

 北村蕭の言葉を聞き、中村純子は冷ややかな視線を彼に向けた。

 そして、実の息子である蕭に対し、まるで汚いものでも見るかのように言い放つ。

「名門の結婚に、情愛などない……」

 その一言は、北村星と北村蕭の兄弟二人に、強烈な危機感を抱かせるのに十分だった。

 名門には情愛がないだと? そんな馬鹿な話があるか。名門同士の婚姻であっても、夫婦円満な家庭などいくらでもある。なぜ母、中村純子の口にかかると、愛など存在しないことになってしまうのか。

 星と蕭には理解できなかった。なぜ母はこれほどまでに強硬に、北村家と佐藤家の縁談を邪魔しようとするのか。

 北村家も佐藤家も、共に並び立つ名門...

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