第317章 お姉ちゃんはいい人

 詩央がいつまで経っても記者の質問に答えないのを見て、葉田静香は焦りを募らせた。

 彼女は拳をぐっと握りしめると、人目につかないように詩央の背中を小突いた。その陰湿なやり方を後ろから見ていた佐藤清歓は、思わず胸を痛めた。

 今すぐにでも詩央を守ってやりたい。だが残念なことに、今の彼女には介入するだけの大義名分がなかった。

 背中に走った痛みと葉田静香の無言の圧力に耐えかね、詩央は突然、声を張り上げて泣き出した。

 彼女は記者たちに向かって叫ぶ。

「お姉ちゃんは悪くない! 私を助けてくれたの!」

「お姉ちゃんが深いところに連れてったんじゃない、私が勝手に流されただけなの……お姉ちゃ...

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