第328章 二人の女の事情

「さっき見たぞ。てめぇ、左手でこいつらを突き飛ばしたな……なら、まずはその左手からへし折ってやる」

 言い終わるや否や、北村辰は青山部長の目前へ踏み込んだ。相手が反応する間も与えず、その左腕を掴み上げると――ガンッ! と容赦なくドア枠に叩きつける。

 バキリ、と鈍い破砕音が響き、青山部長の腕があらぬ方向へと折れ曲がった。

「ぎゃあああああっ!」

 凄惨な悲鳴がフロア中に木霊する。その場にいた者全員の肝が冷えるような、絶望的な叫び声だった。

 青山部長に呼び出されていた警備員たちは、北村辰が放つ圧倒的な殺気に完全に気圧されていた。

 彼らは警棒を構えてはいるものの、足は後退するばか...

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