第332章 わざとなのか?

「行かない……」

「あの目を見てみなさいよ。私を食い殺そうとしてるじゃない。今あそこに行ったって、不愉快な思いをするだけだわ」

「睨みたいなら、好きにさせておけばいいのよ」

 佐藤愛は、中村純子など眼中にないといった様子だ。

 本来なら、中村純子は北村辰の母であり、目上の人間だ。これほどの敵意を向けられていなければ、愛だって挨拶ぐらいはしただろう。

 だが、現状はこうだ。

 そう言い捨てると、愛は鈴木ククの手を引き、控室へと向かった。投資家としてのスピーチが控えており、原稿の最終確認をしておきたかったのだ。

 愛が去るや否や、山田真里が中村純子にすり寄り、告げ口を始めた。

「...

ログインして続きを読む