第335章 葉田静香から調べ

 スマートフォンを握りしめた北村隆夫は、山田真里からのメッセージを目にして、なんだか骨抜きにされたような気分だった。

 中村純子の刺すような冷ややかな態度に比べ、山田真里のなんと優しいことか。彼女の温かさは、すでに北村隆夫の心を鷲掴みにしていた。特に、彼女が自分に向かって「北村さん」と呼びかけてくれた時など、胸の奥がじんわりと熱く、とろけるような心地になったものだ。

 北村隆夫はスマホを手にしたまま、リビングの大きなソファに身を沈める。中村純子が何か文句を言っているようだが、今の彼の耳には一言も入ってこなかった。

 一方、佐藤愛の一行は病院を訪れていた。佐藤清歓が、詩央の容態を沈痛な面...

ログインして続きを読む