第344章 彼女をさっさと死なせる

 北村辰と、ようやく心通わせる恋を始めたばかりだというのに。もしこのまま海外へ売り飛ばされてしまえば、彼と再会することは、生涯叶わなくなるかもしれない。

 それに、祖父のことも気がかりだ。

 孫娘の危機を知れば、あの人は到底耐えきれないだろう。

(だめ……私が、何とかしないと)

 恐怖を押し殺し、自らを奮い立たせる。

 やがて男たちは夜陰に乗じ、佐藤愛、夏川伊智、そして川原裕子の三人を連れ出した。隠し通路のような場所を抜け、海辺へと出る。

 三人は小船に押し込められ、四方を水に囲まれた小島へと運ばれていった。

 岸が遠ざかるにつれ、川原裕子の焦燥感は募っていく。

 彼女は震え...

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